こんなコラムばかり新聞や雑誌に書いていた / 植草甚一
¥1,650
著者:串田孫一
出版社:実業之日本社
発行年:1991年
サイズ:200mm×137mm(箱あり)
商品の状態:帯に大きな破れあり。箱に僅かな汚れあり。本文には一部シミがみられるものの概ね良好です。
名随筆家串田孫一が晩年に雑誌で連載していた24編を一冊にまとめた随筆集。タイトルの❝曇時々晴❞は著者の心境です。串田孫一の美麗かつ自然体な筆致そして随所に見える戦争の影は私達のこころを揺れ動かします。近年のウクライナ問題が長期的にどんな悲劇をもたらすのかを時代を超えて私達に教えてくれる点でもいま読むに値する一冊です。また、本書はサイン本です。
—— 何事も自分のことは一番判りにくいが、密かに過去を想い返してみると、晴れたり曇ったりと言うよりも、時々晴であってくれるのが一番願わしい。その時々晴というのも豫め期待してその通りに晴れることはない。散歩の途中で、突然雲の僅かの隙間から日光が洩れて来て、そこではじめてほっとしたように、思い掛けない歓喜の時が向うから訪れて呉れる。それはほぼ間違いはないが、待ち望む可きことではない。——(本文より引用)